「鬼平犯科帳」と「剣客商売」2016/10/26 10:24

CSの時代劇チャンネルなどで度々途切れることなく放映されていて何度も観ているのに、見かけるとつい引き込まれてまた観ているのがこの二つ。
シリーズで俳優はかわっているが、私の好きな配役は見慣れたためか鬼平は「中村吉右衛門」で秋山小兵衛は「藤田まこと」だ。
吉右衛門さんは押し出しも良くて色気もあって強くていい男でいいな。
「剣客商売」にせよ必殺シリーズにせよ藤田まことが所謂「いいオトコ」ではないのが魅力なんだろうな。背はあるから見劣りはしないと思うけど原作では名前通りの小男らしいから、池波ファンにはどうなんだろう。
彼が亡くなって次代を継いだのは「北大路欣也」だった。
好きだが私にはダメだった。
枯れたような色気ではないし助平なセリフも何だか生々しくてあかん。おはるとのやり取り、いまいち。
藤田小兵衛には小説を読んでいるような心地よさがあった。
あの嗄れた声、破顔の暖かさ。自然でよかった。
若い頃からあったその魅力に磨きがかかっていたなあ。

Eテレ-100分で名著 「石牟礼道子 苦界浄土」2016/09/14 09:55

プラスティックの恩恵を日常的に受けている私たちも「チッソの水俣病」に関しては第三者ではあり得ないと「宇井純」というひとが語っていると言う。
その通りだ。

「刑事フォイル」2016/09/04 23:20

オリジナルタイトルは「Foyle's War」
AXNミステリで繰り返し観ることができるのだが、ポアロシリーズと一部同じスタッフが制作参加していると知って、初めて眼にしてから本当に好きになった。
第二次大戦から戦後しばらくまでのイギリスが舞台で、空軍にいる息子を一人持つ地方警察の刑事が主人公だ。
礼儀正しく優しい男だが法を犯すものに対しては厳しい。
やんわりとした皮肉で相手にぐうの出ないほどの打撃を与えるが、裏を返せば機転の利く優れたユーモアの持ち主でもある。
「正義」が誰にとっての「正義」であるかも問われる事件もあって、それは戦時下ならではことで法律によっても裁けないのだと嘯く犯人も出てくる。
理不尽な結果で苦渋するフォイルもすごくいい。
それを静かに演じているマイケル・キッチンははまり役だと思う。
タイトルの音楽が雰囲気によく合ってとても良いので、最後まで耳を傾けてしまう。
1シリーズ3話、8シリーズまで2002年から2015年まで放送された。情報機関MI5、MI6のエピソードが出てくるのも面白い。

「あわれ彼女は娼婦」2016/08/15 01:56

CSでだったか放送していたのを録画して観た。
浦井健治、蒼井優主演で新国立劇場で上演されたもの。
作品の紹介と日本での主な上演リストをWikiより以下に引用。

Tis Pitty Shee's a Whore, 1633
『あわれ彼女は娼婦』(あわれかのじょはしょうふ、 'Tis Pity She's a Whore)は、英国ルネサンス期のイギリスの劇作家ジョン・フォード作による舞台作品。1620年代に執筆され、1633年に出版された。イタリアのパルマを舞台に、愛ゆえに近親相姦という禁忌を犯してしまうジョヴァンニとアナベラ兄妹を中心に描かれる愛憎劇。
主な上演
1970年 文学座公演(日本初演)
1993年 デヴィッド・ルヴォー演出によるシアター・プロジェクト・トウキョウ (TPT) 公演・豊川悦司主演
2006年 蜷川幸雄演出・三上博史主演
2008年 田中壮太郎・名塚佳織主演
2016年 浦井健治・蒼井優主演、栗山民也演出 [2] (新国立劇場 6月演劇公演)
など。←引用ここまで。

引用に大きく割いてしまったけど、作品自体のプロフィールは知識としてある方がよさそうだったからなんだ。それに誰がかつて演じたかも興味の深まるところ。
近親相姦の話では観る前から既に腰は引けている。フランスであった事実をベースにしているらしい。
この愛を正当化する為に美しい言葉を織り紡いで行くが、私はどうしても受け入れ難く、これ以外の叶わぬ愛とはやはり大きく違いがあった。
何が見どころかといえばやはり行く処は破滅しかなく、その凄まじい最後に魅入られるように舞台に釘付けになるってところかな。
豊川悦司、三上博史の二人が演じているのも観たかった。

「夜の来訪客」2016/08/12 13:03

イギリスBBC制作のドラマ。
予備知識無しで観ていて惹き込まれた。
単なる犯人探しではないことが、始まって間も無く分かってくる。
舞台演劇のようだと思ったら、それもそのはずプリーストリーというイギリスの劇作家の作品だった。
一人の貧しい女が自殺したことである夜、裕福な家族が集まる邸宅に警察官が事情を聞くために訪ねてくる。
誰を訪ねてきたのか不審に思うが誰も無関係ではない事が暴かれていく。
最後には驚かされる。
その原作は岩波文庫で出版されていた。今借りてきたところで少しだけ読み進めると「カイゼルの演説」「戦争は不可避」「新しい定期船がタイタニック号」というキーワードが語られ時代背景が理解できる。
ドラマの方では西暦でキャプションがついていたので分かりやすかった。
AXNミステリのプリーストリーの紹介文に「ジャーナリストであり小説家、劇作家、批評家、そして政治家、反戦家でもある」とある。反戦家でもあった処に興味がある。

「大橋巨泉」の訃報を聞く2016/07/20 12:39

7月12日に「大橋巨泉」(82)が亡くなった。
7月7日には「永六輔」(83)が逝ってしまった。
「野坂昭如」(85)は昨年の12月9日に。
戦争をよく知る、そして心から恐怖していた人たちが逝ってしまう。
年齢を考えたら仕方ないのだけど。

「喧騒の街、静かな海」2016/07/18 23:13

月曜日夜のNHKのドラマはディーン・フジオカ主演の「喧騒の街、静かな海」
共演は寺尾聰、キムラ緑子、市川由衣、和田正人他。
あまり好きじゃなかったんだが、ディーン・フジオカに惚れてまいそうやった。

自分を捨てた父親に息子と知らせずに会いに行く。
母親のことも認められなかったが、その死を父と共に受け入れられるまで。

NHK「ミュージックポートレイト 吉田鋼太郎×藤原竜也」2016/06/17 22:32

6月9日、6月16日放送。
面白かった!
二週に渡って前後編で語り合い、夫々心に残る音楽を上げていく。
自分の話に変なツッコミを入れた20歳以上も上の吉田に向かって顰めっ面で「比喩だよ!比喩。わかるだろ?」と言ってのけた藤原を見ると二人の親密ぶりがわかる。
蜷川さんとの関わり合いを語って時間も進む。現実の同じ時間に病気と闘い続けている蜷川さんを二人とも思っていたろうな。
それは見ていたら分かって泣けてきた。
蜷川さんを思って私も泣けた。

「ウルフ・ホール」2016/05/04 16:37

イギリスBBCのクロムウェルを描いた「ウルフ・ホール」はクロムウェルがヘンリー八世の二度目の妻アン・ブーリンを処刑台に上げたまでのところで終わっている。
原作の三部作のうち二作目までBBCは作り終えているらしいからCSで見られるのもそんな先ではなさそう。

画面は暗く蝋燭や暖炉の火、窓からの光などで部屋の隅は殆ど闇に塗りつぶされている。
全てが抑制された中でクロムウェルの心象風景も描き出されるのが面白かった。
何度か放送されていたけどなかなか集中して見ることができなかった作品。見ることができてよかった。

「ザ・フォークソング 出張ゼミナール」2016/03/07 23:44

NHKBSプレミアムで放送されたものを録画。
都内の専門学校に出張したという形でなぎら健壱、坂崎幸之助の語りとライブ映像で構成されている。
友川カズキの生演奏に驚き。
なぎら、坂崎やりとりが面白くて録画を消すのが惜しい。
なぎらのエピソードが近くにいなくては語れないというもので貴重かも。

フォークはあまり好きでは無くて知らないことが多い。
それだけに歴史を感じて感慨深い。