「グランド・ブダペスト・ホテル(2019)」2023/02/02 23:27

昨年11月だったか、レイフ・ファインズの新しい映画をスクリーンで観ている。それは彼に合っていると思ったけど、後味の悪いホラーな復讐劇で、説得力がどの辺にならあったのか考えるのも面倒。
でもレイフ・ファインズへの気持ちはブレない。彼の演じたリチャード三世は痺れる。「オフィシャル・シークレット(2019)」なんかで、人権派の優秀な弁護士を演じてるのを観ると、ほらねこんなストレートな芝居もいいのよなと言いたくなる。そのまま続ける。この映画(オフィシャル・シークレット)は、もうひとつの「ペンタゴン・ペーパーズ(2017)」だ。「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」はベトナム戦争、「オフィシャル・シークレット」はイラク戦争に関する事件だ。
国が軍事とつるんでどんなろくでもないことを画策しているかを暴露し、リークする者、リーク先のメディアの在り方などを問うていく社会派サスペンスで、近代史の構造的な問題を知る教材のひとつになり得ると思っている。「ペンタゴン・ペーパーズ」公開直後の読むに耐えない低評価の文言など思い出していたら劇中、その当事者エルズバーグに触れる場面もあった。

殆どの国が戦争を起こすことに加担している側面が必ずと言っていいほどある。この数年に制作された実話ベースの映画作品2本観ただけでも、推測できようというものだ。余談もいいとこだけどそれまでに観ているものはどんなジャンルでも、状況証拠のような存在になるはず。(だから常に戦争反対としか言いようがないと思うの)

タイトルの「グランド・ブダペスト・ホテル」は役者に癖があり過ぎてハマる。ちょっとしか出ないスゴい役者をしっかり確かめる作業は楽しかった。こんな面白いコメディと知ってたら早く観るんだった。