寺山修司「田園に死す」2020/01/18 14:04

前日に人から明日までだよと教えてもらって金曜の夜に観に行った。最後の一本なので特別入場料だ。やっと初めて観ることができた。
こんなに面白かったのかと今まで観なかったことに後悔した。
美術が花輪和一だったのだな。
生死が紙一重のところにいて顔色一つ変わらない。変わってはいるけど、それは、なんだ!いないと思ったら部屋にいたのか!くらいのもので。
行ってよかったな。
反対に観たいと思いながら腰が引けているのはソール・ライターのドキュメンタリの方で、先程レビューを読んでしまってもしかしたら違うという気にさせられるのではと懸念しているのだよね。

「ゴッホ展」「コートールド美術館展」2020/01/07 23:46

この2つの展覧会に行ったのは12月の半ばだ。
ゴッホがその生真面目さ故か人間関係が常に破綻していることや、心を病んで入院生活を余儀なくされたこと、芸術を突き詰めるも認められる前に若く死んだ、そんな事が息苦しくて、向き合える感じがしなかった。
施設としての上野の森美術館は嫌いだが、この「ゴッホ展」は凄く良かった。彼がパリに行って解放された作品が素晴らしいと感じ取る事ができた。精神病院に入院している間に描かれた作品が瑞々しくて美しくて泣けた。
コートールドと並べて観ることに意味があった。ゴーギャンの「テ・レリオア」があった。
帰ってから見るとゴンブリッジの「美術の物語」に掲載されていた。ゴッホとゴーギャンがやっと身近になった。

「アラン・ギルバートと都響メンバーによる弦楽五重奏」2019/12/31 01:25

今月の15日に浜離宮朝日ホールで聴いた。
アラン・ギルバートの指揮による…なんだっけな、今すぐ思い出せないけど、ものを聴きに行ったことはあった。こちらはヴィオラ奏者としての演奏を聴く。
かなり前の左に寄った席で、半円を描いて座る奏者の上手側にいるアラン・ギルバートの表情がよく見える。
楽しそうに演奏する彼の姿に、疲れ気味の気持ちが寄り掛かった。
心地よい弦楽器の響き。音を感じながらうつらうつらする贅沢。

石川美咲個展「水の戯れ」2019/12/20 15:47

若い作家「石川美咲展 水の戯れ」
普段は農業をしていて、常に水、土、空気と創作に関心を持ち続ける強くしなやかな女性。
紙に黒鉛で大作6点を仕上げ、小品は組み作品が4点。
最初の構想では色を使うとしていたのが、それをやめて黒鉛のみにしたのは色での表現が自分にしっくり来なかったからというのがその理由と話してくれた。
ここに描かれているのは「水」の要素を含む何らかのものたちだ。
描くということには無限の可能性があるのだなと思った。
そもそもこれを描く勇気は何処から産まれるのだろう。
「意識」という言葉をタイトルにも用いていて勇気はそれにも置き換えられるとも思う。
私は描かれたものは水と思い、黒鉛を手に持つ人のエネルギーを感じるだけだ。有機的なものに囲まれた心地よさを感じる。

12月8日は父の命日 そして父の靴2019/12/10 23:19

2012年の12月8日の未明に父は病院で息を引き取った。86歳だった。
肺癌が見つかってから手術を経て半年、手術は成功したものの予後が芳しくなく、一度数日の退院ができただけでそのまま感染症を起こして痩せ細って亡くなった。
ただでさえ食べものの好みがうるさいのに、病気のために食欲も湧かずたとえ食べたくても喉を通らなくなった。そういうことが続いて、退院を期待してベッドの上で行っていた脚を上げる運動も段々ときつくなり、やがてどこかで自分の命の長くないことを悟っていったようだった。
どこの時点でだか、何を思ったか自分のお気に入りの靴を捨てるように私に命じた。それはキャメルのトカゲ革を配した革底のレースアップの靴で、とても良いものだった。お気に入りとはいえ高齢になってから楽に履ける靴ではなく長らくコレクションのようになっていた。
私はこの頼みにただならないものを感じて、分かったと返事をしながらそれまで何とか保っていた落ち着きを失った。今更何故その靴を捨てるように私に頼むのか、理由も聞けなかった。とても寂しすぎて聞けなかった。
そして私は実家に寄ってすぐさまその靴を車に運んだ。数日車の中にあったが、しばらくして私は捨てた。頼みを聞かなくてはならないという強迫観念が生まれた余裕のなさで。
今になっても後悔している。せめて写真を撮っておけばよかったと思う。思い出は心の中に?それはそれでその通りだが、私はまだ生きている。思い出したい。あの靴がどんなだったか忘れかけている。靴が好きで靴のデザインが好きで父の好みも知っているのに。
とにかくなんでもいいから仕上げたい。

行かなかった「バスキア展」2019/11/27 00:27

ついに行かなかった。大好きだし、ドキュメンタリーも観たのだけど。
森アーツだったのも気分が削がれた。あそこは上野の森美術館と同じくらい苦手だ。

「絵本に見るアートの100年〜ダダからニュー・ペインティングまで」2019/11/14 11:32

この展示会に伴う企画の「美術と絵本ー冒険と革新」という講演会に行ってきた。登場する芸術家の数多し。
国立子ども図書館は初めてだったが、講演の後、閉館まで1時間もなかったので展示内容をゆっくり消化できなかった。
後期はゆっくり見に来る。

「堀文子展」2019/11/05 17:05

箱根芦ノ湖成川美術館で特別追悼展として行われている「堀文子展」を観てきた。11月20日までなので少し慌てていた。何しろ夏から始まっている長期の展示だから未だ大丈夫となっていたのが結局ギリギリになり、車で行くことにしたが三連休の最終日ということもあってか楽に着いた。芦ノ湖の観光クルーズの発着所の真っ直ぐ後ろ、山に続くところに美術館はあって、派手さのない落ち着いた雰囲気のエントランスだ。
ここは個人美術館で一切の公の支援を受けずに成り立っているそうだ。そういう独立できている美術館の所蔵として作品が100点近く収集されたのは堀さんの望むところではないかしら。
群れを作らず単独で咲くブルーポピーを探すため、80を越してヒマラヤへ赴いた人だ。
堀作品の実物を是非とも観たかった。やっと。
2017年から18年にかけて行われた神奈川県立近代美術館の「白寿記念展」は会期を間違えて行けなかったのだ。残念な気持ちが未だにあるから。

「落語名鑑」2019/11/03 11:33

NHKの林家正蔵がMCの番組、録画しておいた。
先週と今週の対談ゲストは桂米團治。大好きなんで。
正蔵が「兄さんは沢山の知識や芸事も凄いし色艶もあって」と言うと、色艶については米朝仕込みだと返事があった。
米朝師匠は御茶屋遊びに行くと下の弟子まで一緒にお座敷に上らせるので、そこで学ぶものが後々高座で役に立つと。
カッコええなあ。

「JOKER」2019/10/16 22:23

「ジョーカー」を観た。ホアキン・フェニックスの演じるジョーカーは二度と同じレベルのものは出ないだろうと思うくらいの凄味があった。
彼のダンスはマイケルを思い起こさせる。どうしてもダブって悲しみは2倍。
ロバート・デ・ニーロは凡庸なコメディアンにしか見えなかった。演出なのかなあ。
タクシー・ドライバーやキングオブ・コメディがあったとしても、だよ。