岩波ホール閉館の知らせ2022/01/13 23:52

岩波ホールが7月に閉館するというニュースに衝撃を受けた。
去年の夏ごろ神保町に本を探しに行った折、ついでに寄ってみたら時間がちょうど良くて面白そうな作品がかかっていたから、それを観たのだった。「ペトルーニャに祝福を」
就職の面接でセクハラされる、大学で歴史学を学んでも就職には役に立たないと嘲笑われる、若くなくて未婚の女性は偏見と差別で見かけを貶められる。そんな彼女がやけっぱちで飛び入りした宗教儀式は男性限定のものだった。男性優位社会に戦いを挑む女性が主人公のこの物語は、舞台は北マケドニア、監督は女性。
日本とさして変わらない。元々あるはずの自分の価値を他人に認めさせたペトルーニャの戦いは大きな共感を呼ぶ、はず。
とてもいいものに巡り合ってその日は一日中いい気分だった。
だけど当日の観客は少なく寂しかった。コロナのせいもあって神保町も人出は減っているのだ。
それでも岩波ホールはいつまでもあると根拠なしの確信を持っていたのを覚えている。すずらん通りのおなじみの老舗は次々閉店していたのにね。
なんか、なんか、こう「国立のフィルムセンター」に近い公的な存在理由があるみたいな。とんだ思い違いもいいところなんだけど、権威主義的ともいえるんで反省してどうぞ。
本物の喪失感は閉館してからだ。
新たなオミクロン株の蔓延速度は驚異的であっという間に各都市の感染者数は4桁にぶっ飛んだ。
人との接触は極力避け、外出も控える方向だ。映画を、それも岩波ホールへ足を運びたい時に枷が嵌められる。

思えば香港から何もかもが変わった。喪失感ハンパない。

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