「内海信彦展」と撥墨山水画というもの2017/05/06 02:03

「内海信彦」という画家の作品を観に京橋のギャラリーKに出かける。
ゴールデンウィークの京橋は表通りから外れると人は少なくて気分がいい。
期日は4月24日から5月6日まで。
29日には日本美術史学者であり東大教授でもある佐藤康宏氏との対談があって、それに参加したから絵は観ているものの、人がびっしりと入っているので堪能するどころではなかった。
その日は撥墨山水画について語られその概要を知ることができたが、残念ながら内海氏との本格的な対談を聞けずに中座したのだ。

二曲一双の屏風が八隻、右手の壁沿いに端から端にぴったり肩を並べ、ゆるい弧を描いて立っている。
迸るような大胆なタッチの画面が16枚。
反対側の壁近くに座布団大の畳が置かれていて、体育座りで屏風を観ている人がいた。その人を挟んで内海氏も座り、私も座った。
座れば景色が変わる。
照明も何度か調整して暗めになり絵はまた違う様相を見せた。
製作風景の一部はネットで紹介されたのを見て知っている。
先入観なしで観ることにも意味があるとは思うけど、解題の大事な一部を知った上での体験には得るものはもっと多いかもしれないと思った。
何度も同じものを見る機会は無いのだから。

稀な感動を受けて帰った。