東京は神田淡路町でワン・ブロック・ツアー2016/10/04 23:01

友人と神田淡路町界隈で日本情緒を味わってきた。
1時半からの「連雀亭」のキャタピラ寄席は二つ目専門の寄席だ。1000円で四人の噺家を楽しめる。
それが3時に終わるから藪蕎麦で遅めの食事。
友人は暖かい天ぷら蕎麦を、私は冷たい山かけ蕎麦。
それから「竹むら」で甘味。友人は揚げまんじゅう、私は粟ぜんざい。粟ぜんざいは暖かくて美味しかった。
そしてシメはショパンでコーヒーを味わう。
100メートルと離れていない夫々の場所をゆっくり楽しんできた。

「ゴースト・バスターズ」新しいのと古いのと。2016/10/11 15:19

先日新作の「ゴースト・バスターズ」を観てきた。
楽しい作品だがそれほどに見たいわけでもなかった。
何を観ることになるかお楽しみの集まりなので、友人二人とあれこれ検討してこれに落ち着いた。
結果的には観てよかったかな。
元祖「ゴースト・バスターズ」で脚本、出演をしていた重要なキー・マン「ハロルド・ライミス」に捧げるとされていたから。
エンドロールでそれを見て亡くなったのを思い出した。
調べたら彼が亡くなったのは2014年。2年前の事だった。
ビル・マーレイ、ダン・エイクロイドが顔を見せるのは当然なのでどこで出るかが面白み。

本編は正直さほど面白いと思わないのだ。
面白いのはエンドロールでおバカな受付けケヴィン役のクリス・ヘムズワースが踊りまくっているところ。
「マイティ・ソー」の彼。
これ見たら十分楽しめた感じ。ありがと。

「驚きの明治工藝」2016/10/12 23:08

東京藝大美術館で。
この展示会に並んでいる殆どは台湾人の蒐集家に愛されたものだということだ。
自在ものはどれも驚くが、蛇のシンプルさに惹かれた。
天気も良く風も穏やかな秋の一日。

「マリインスキー劇場管弦楽団 ワレリー・ゲルギエフ指揮」2016/10/14 23:30

前回サントリーホールにゲルギエフの指揮によるマリインスキー劇場管弦楽団を聴きに行ったのは、2014年10月14日だった。
記憶ではてっきり去年と思っていたがとんだ勘違いだった。
ブログに一言も触れていないし。忘れっぽい〜。
その時のプログラムはブラームスのピアノ協奏曲第2番とショスターコヴィチの交響曲第8番。
ピアノはフレイレ。
ショスターコヴィチに感動し興奮気味で帰った。

それから丁度2年目の今日は、ベルリオーズの「劇的交響曲《ロミオとジュリエット》作品17」
どうも、ベルリオーズは肌が合わないかなあ。
今回は3階席だったので演奏の様子が上から見えるのが楽しかった。
ゲルギエフの指揮の様子を前回よりよく見ることができたのはとても甲斐のある事だった。

「鈴木其一 江戸琳派の旗手」2016/10/19 23:24

サントリー美術館で。
際立つ個性に改めて驚き、群青と緑青が目に焼きつく。
描表装の面白さ。描き手の楽しんでいるのが感じられて。
最後に近い展示のメトロポリタン所蔵の「朝顔図屏風」は言うもがな。ここでは誰もが時間をかけて角度を変えて眺める。
私は「糸瓜に朝顔図」の色に魅せられた。
すっきりしていて凛として、暖かさも併せ持つ佇まい。

酒井抱一一門は勿論、同時代には北斎がおり河鍋暁斎とも縁が深かったようだ。他にも年表にあったけど忘れました。
ちなみに同じ頃伊能忠敬が地図を完成させたって。
この展覧会は展示の入替も多くあってそれをつぶさに観に来た人は多かったと思う。それはそうだろうな。

訃報「平幹二朗」そして「王女メディア」2016/10/25 23:59

10月22日の平幹二朗の急死を知った。
82歳。
今年の1月15日グローヴ座で「王女メディア」を観ている。
再演を是非観たいと思ったのだ。
80代とは思えない力強さと艶やかさがあった。
辻村寿三郎の神経質な形と色と素材の複雑で巧みな組み合わせによる衣装。それを軽々と身に纏ってメディアを演じる。
とても残念。

「鬼平犯科帳」と「剣客商売」2016/10/26 10:24

CSの時代劇チャンネルなどで度々途切れることなく放映されていて何度も観ているのに、見かけるとつい引き込まれてまた観ているのがこの二つ。
シリーズで俳優はかわっているが、私の好きな配役は見慣れたためか鬼平は「中村吉右衛門」で秋山小兵衛は「藤田まこと」だ。
吉右衛門さんは押し出しも良くて色気もあって強くていい男でいいな。
「剣客商売」にせよ必殺シリーズにせよ藤田まことが所謂「いいオトコ」ではないのが魅力なんだろうな。背はあるから見劣りはしないと思うけど原作では名前通りの小男らしいから、池波ファンにはどうなんだろう。
彼が亡くなって次代を継いだのは「北大路欣也」だった。
好きだが私にはダメだった。
枯れたような色気ではないし助平なセリフも何だか生々しくてあかん。おはるとのやり取り、いまいち。
藤田小兵衛には小説を読んでいるような心地よさがあった。
あの嗄れた声、破顔の暖かさ。自然でよかった。
若い頃からあったその魅力に磨きがかかっていたなあ。

「禅 心をかたちに」から「ピカソ 天才の秘密と死のイメージ」2016/10/28 23:46

昨日27日、東京国立博物館平成館「禅 心をかたちに」と筑摩書房主催の「高階秀爾『ピカソ 天才の秘密と死のイメージ』」という講演をハシゴ。
国博の「禅」の出品目録は数字だけで見ると300点余でびっくりするが、この中には会場や期間限定の作品が大分あるので実際はだいぶ削がれている。それでも時間が足りなかった。
禅の世界も政治とは無縁でないことも分かる展示内容で面白かった。

高階秀爾さんの講演はやはり興味深かった。
若い頃から高階さんの本を全部は無理でも多少は読んでいて、権威という言葉はあまりよろしくないけどそういう人だった。
語り口は淡々としていて、ご自分の中では当然分かりきったことばかりだし、ピカソは知られ過ぎていてそれほど驚く内容ではないのだ。だけれども私の持っている視点とは違う➖まあ私が持っているとすればってことで➖「ある視点」をきっちりと据えて話されると、過去のものではないピカソが現れた。私には新鮮だった。