サンドラはね。 ― 2020/03/11 21:00

2月14日に死にました。
私のそばにずっと横たわっていたサンドラは、バレンタインデーの夜に死にました。
私の最後の猫が逝きました。
とても小さな出来事です。
私のそばにずっと横たわっていたサンドラは、バレンタインデーの夜に死にました。
私の最後の猫が逝きました。
とても小さな出来事です。
12月8日は父の命日 そして父の靴 ― 2019/12/10 23:19

2012年の12月8日の未明に父は病院で息を引き取った。86歳だった。
肺癌が見つかってから手術を経て半年、手術は成功したものの予後が芳しくなく、一度数日の退院ができただけでそのまま感染症を起こして痩せ細って亡くなった。
ただでさえ食べものの好みがうるさいのに、病気のために食欲も湧かずたとえ食べたくても喉を通らなくなった。そういうことが続いて、退院を期待してベッドの上で行っていた脚を上げる運動も段々ときつくなり、やがてどこかで自分の命の長くないことを悟っていったようだった。
どこの時点でだか、何を思ったか自分のお気に入りの靴を捨てるように私に命じた。それはキャメルのトカゲ革を配した革底のレースアップの靴で、とても良いものだった。お気に入りとはいえ高齢になってから楽に履ける靴ではなく長らくコレクションのようになっていた。
私はこの頼みにただならないものを感じて、分かったと返事をしながらそれまで何とか保っていた落ち着きを失った。今更何故その靴を捨てるように私に頼むのか、理由も聞けなかった。とても寂しすぎて聞けなかった。
そして私は実家に寄ってすぐさまその靴を車に運んだ。数日車の中にあったが、しばらくして私は捨てた。頼みを聞かなくてはならないという強迫観念が生まれた余裕のなさで。
今になっても後悔している。せめて写真を撮っておけばよかったと思う。思い出は心の中に?それはそれでその通りだが、私はまだ生きている。思い出したい。あの靴がどんなだったか忘れかけている。靴が好きで靴のデザインが好きで父の好みも知っているのに。
とにかくなんでもいいから仕上げたい。
肺癌が見つかってから手術を経て半年、手術は成功したものの予後が芳しくなく、一度数日の退院ができただけでそのまま感染症を起こして痩せ細って亡くなった。
ただでさえ食べものの好みがうるさいのに、病気のために食欲も湧かずたとえ食べたくても喉を通らなくなった。そういうことが続いて、退院を期待してベッドの上で行っていた脚を上げる運動も段々ときつくなり、やがてどこかで自分の命の長くないことを悟っていったようだった。
どこの時点でだか、何を思ったか自分のお気に入りの靴を捨てるように私に命じた。それはキャメルのトカゲ革を配した革底のレースアップの靴で、とても良いものだった。お気に入りとはいえ高齢になってから楽に履ける靴ではなく長らくコレクションのようになっていた。
私はこの頼みにただならないものを感じて、分かったと返事をしながらそれまで何とか保っていた落ち着きを失った。今更何故その靴を捨てるように私に頼むのか、理由も聞けなかった。とても寂しすぎて聞けなかった。
そして私は実家に寄ってすぐさまその靴を車に運んだ。数日車の中にあったが、しばらくして私は捨てた。頼みを聞かなくてはならないという強迫観念が生まれた余裕のなさで。
今になっても後悔している。せめて写真を撮っておけばよかったと思う。思い出は心の中に?それはそれでその通りだが、私はまだ生きている。思い出したい。あの靴がどんなだったか忘れかけている。靴が好きで靴のデザインが好きで父の好みも知っているのに。
とにかくなんでもいいから仕上げたい。
雑感というか母が転んで入院したというか ― 2018/08/19 20:47

後期高齢者の母が家の中で転んで緊急搬送され大腿骨骨折と診断された。
「手術は無理」からの「手術は可能」までは当事者にするとかなりめくるめく展開で、高齢者の場合はその後のリハビリ施設の決定までしなくてはならなくてその時間もあまり無い。
そもそも転ぶなんてのは予測もつかない事なので普段のしたい事をしていたんだけど、最近触れてきたことがなんだか刺激的でそれに気を取られすぎていた処にコレだったのでキャパを越して頭が疲れてきたみたい。
「パンク侍、斬られて候」「カメラを止めるな」「スターリンの葬送行進曲」「全身小説家」「海神別荘」etc.
この花、今日回ったうちのひとつの老健施設の庭に咲いていた。
癒されたいのかしら。
「手術は無理」からの「手術は可能」までは当事者にするとかなりめくるめく展開で、高齢者の場合はその後のリハビリ施設の決定までしなくてはならなくてその時間もあまり無い。
そもそも転ぶなんてのは予測もつかない事なので普段のしたい事をしていたんだけど、最近触れてきたことがなんだか刺激的でそれに気を取られすぎていた処にコレだったのでキャパを越して頭が疲れてきたみたい。
「パンク侍、斬られて候」「カメラを止めるな」「スターリンの葬送行進曲」「全身小説家」「海神別荘」etc.
この花、今日回ったうちのひとつの老健施設の庭に咲いていた。
癒されたいのかしら。
ハナ ― 2018/02/10 02:17

2017年12月22日早朝に息を引き取る。
未ださよならと言い難く。
未ださよならと言い難く。
ペットロスなのだ ― 2018/02/09 14:26

はっきり認めるがペットロスなのだ。
5匹いた猫が2匹になって寂しくなったという問題では無い。
死んでいい子がいた訳では断じて無い。
今いる2匹では駄目なのだと言う訳でも断じて無い。
ただただハナのいないことが辛くて仕方ないのだ。
ハナは「優しくて私にいつも寄り添ってくれていた猫」というのではない。寒いから布団に潜り込んで腕まくらで寝るのが最上の心地よさだったからいつも私の横にいた。
私の具合が悪くてもご飯を早く出せとうるさかった。
私が泣いていてもうぜえという顔をしていた。
用があって膝から降ろすとがっかりするより怒っていたし、早く戻れと文句ばっかり言っていた。
そっちがそうならこっちもと対等に喧嘩していた。
ハナが若い時は何度も顔をぶたれた。
私の怒った声の調子にハナは怯えなかった、どころか反論してきた。
ハナの背中に耳を押し付けて最期の鼓動を聴き届けようと思ったのに最後の数時間で私は看護疲れに耐えきれず寝てしまった。
ハナは私のベッドのど真ん中を占領していたのに二度もベッドから落ちていてその二度目は既に硬直が始まっている状態だった。
一度目の落下の時は死んでいるかと思ったが息をしていた。抱き上げてベッドの真ん中に置いて私も横になり、また耳を背中に押し付けた。今度は眠る訳にはいかないし眠れるはずもないと思ったのに。
毎晩ハナに話しかけていた。なぜ死んでしまうのかと責めていた。
今だにそこから逃れられない。ハナは横たわったまま私の顔をじっと見ていた。何か答えていたんだろうか。
可哀想なのは多分ハナの方だ。
5匹いた猫が2匹になって寂しくなったという問題では無い。
死んでいい子がいた訳では断じて無い。
今いる2匹では駄目なのだと言う訳でも断じて無い。
ただただハナのいないことが辛くて仕方ないのだ。
ハナは「優しくて私にいつも寄り添ってくれていた猫」というのではない。寒いから布団に潜り込んで腕まくらで寝るのが最上の心地よさだったからいつも私の横にいた。
私の具合が悪くてもご飯を早く出せとうるさかった。
私が泣いていてもうぜえという顔をしていた。
用があって膝から降ろすとがっかりするより怒っていたし、早く戻れと文句ばっかり言っていた。
そっちがそうならこっちもと対等に喧嘩していた。
ハナが若い時は何度も顔をぶたれた。
私の怒った声の調子にハナは怯えなかった、どころか反論してきた。
ハナの背中に耳を押し付けて最期の鼓動を聴き届けようと思ったのに最後の数時間で私は看護疲れに耐えきれず寝てしまった。
ハナは私のベッドのど真ん中を占領していたのに二度もベッドから落ちていてその二度目は既に硬直が始まっている状態だった。
一度目の落下の時は死んでいるかと思ったが息をしていた。抱き上げてベッドの真ん中に置いて私も横になり、また耳を背中に押し付けた。今度は眠る訳にはいかないし眠れるはずもないと思ったのに。
毎晩ハナに話しかけていた。なぜ死んでしまうのかと責めていた。
今だにそこから逃れられない。ハナは横たわったまま私の顔をじっと見ていた。何か答えていたんだろうか。
可哀想なのは多分ハナの方だ。
猫の介護1 ― 2017/11/24 11:44

5匹という数で安定していた猫の頭数が3という数字になり、その中の一番古くリーダー的な存在だった子が調子が悪い。
予てから腎臓の機能が低下していてこの夏は低カリウム血症で夜間診療に駆け込み何とか元気を取り戻したが、対症療法か効き目を奏しただけなので心配は無くならない。いずれ来るその時はさほど遠くはない。
3月に仲の良かったキジトラが死んだので寂しくなって免疫も落ちて症状を呼び起こしたかな。
多分娘であり、妹であり、相棒だった。
その死んだ子もあっちに行ってもやっぱり寂しくて呼んだのじゃないかと思う。
わがままを言わない優しくていい子だった。
予てから腎臓の機能が低下していてこの夏は低カリウム血症で夜間診療に駆け込み何とか元気を取り戻したが、対症療法か効き目を奏しただけなので心配は無くならない。いずれ来るその時はさほど遠くはない。
3月に仲の良かったキジトラが死んだので寂しくなって免疫も落ちて症状を呼び起こしたかな。
多分娘であり、妹であり、相棒だった。
その死んだ子もあっちに行ってもやっぱり寂しくて呼んだのじゃないかと思う。
わがままを言わない優しくていい子だった。
ソウルメイト ― 2017/06/18 13:05

世の中「共謀罪」で喧しい。
考えることもいろいろあるのだけど17歳の老猫の加減が悪く、予感に堪えながら日常を過ごす。
考えることもいろいろあるのだけど17歳の老猫の加減が悪く、予感に堪えながら日常を過ごす。
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」 ― 2017/05/23 02:58

気分が落ち込み、ただ笑いたくて「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」を観ようと思ったがやめた。
何か向き合うべきものがある方がいい気がして「マンチェスター・バイザ・シー」にした。
ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックが、淡々と描かれる家族の変わりゆく姿。大きな悲しみを背負う男を演じている。
逃れられない悲しみなら無理に逃れることはない。
こういう受け入れ方もありね。
何か向き合うべきものがある方がいい気がして「マンチェスター・バイザ・シー」にした。
ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックが、淡々と描かれる家族の変わりゆく姿。大きな悲しみを背負う男を演じている。
逃れられない悲しみなら無理に逃れることはない。
こういう受け入れ方もありね。
NHKEテレ ETV特集「その名は、ギリヤーク尼ヶ崎 職業大道芸人」 ― 2017/02/13 23:55

時は残酷だが奇跡を見た。
若い頃、上野や新宿で彼の踊るのを何度か見たことがあった。いつも偶々出会うのだ。
これほどまでに激しくて痛みを感じる踊りは私には受け入れ難いもので、未だにその感覚は拭えていないように思う。
このドキュメンタリはギリヤーク尼ヶ崎の2016年10月10日の新宿公演までの三ヶ月間の記録で、彼は86歳。
なんらかの病気で思うように動けなくなった彼は痛ましいほどだ。その介護をするのは約10歳年下の弟。
病名がパーキンソン病とわかるのは公演間近で、病名が判明したためか、あるいは適切な投薬のためなのか驚くほど体が動いてきている。表情も明るくなった。
大道芸人という名の表現者=芸術家の最後を見届ける覚悟ができるか、と思いながら見終わる。
ディレクターの言葉がここで見られる。
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=09094
若い頃、上野や新宿で彼の踊るのを何度か見たことがあった。いつも偶々出会うのだ。
これほどまでに激しくて痛みを感じる踊りは私には受け入れ難いもので、未だにその感覚は拭えていないように思う。
このドキュメンタリはギリヤーク尼ヶ崎の2016年10月10日の新宿公演までの三ヶ月間の記録で、彼は86歳。
なんらかの病気で思うように動けなくなった彼は痛ましいほどだ。その介護をするのは約10歳年下の弟。
病名がパーキンソン病とわかるのは公演間近で、病名が判明したためか、あるいは適切な投薬のためなのか驚くほど体が動いてきている。表情も明るくなった。
大道芸人という名の表現者=芸術家の最後を見届ける覚悟ができるか、と思いながら見終わる。
ディレクターの言葉がここで見られる。
http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=09094
東京は雪 ― 2016/11/24 23:40

今日は非常に寒く雪が降った。
50何年ぶりかの東京の11月の雪だそうで。
終日家の中。
昨日は実家の母がうちの中で転んだと言うので駆けつけて状況を見て来た。高齢なので骨折を心配したが打撲で済んだのでホッとした。
今日何かあって雪の中を出かけるとなると問題だ。
うちには全員高齢といっていい猫が5匹もたむろしていて、その中の2匹は障害があり、まる一日でも放っておくのは無理なのだ。
寒いし外出も危ないからうちにいて「北越雪譜」なんかを思い出してみたり。
雪の結晶の沢山の観察図があった。
50何年ぶりかの東京の11月の雪だそうで。
終日家の中。
昨日は実家の母がうちの中で転んだと言うので駆けつけて状況を見て来た。高齢なので骨折を心配したが打撲で済んだのでホッとした。
今日何かあって雪の中を出かけるとなると問題だ。
うちには全員高齢といっていい猫が5匹もたむろしていて、その中の2匹は障害があり、まる一日でも放っておくのは無理なのだ。
寒いし外出も危ないからうちにいて「北越雪譜」なんかを思い出してみたり。
雪の結晶の沢山の観察図があった。
最近のコメント