日々は蔓草2024/06/03 00:45

 「渇いた太陽」を観てから二日後にポール・ニューマンの自伝の翻訳本が書店に並んでいるのを見た。奥付見たら2023年初版とある。やっと昨年翻訳されたんだろうか。1960年代の映画に出た俳優はもうとっくに亡くなっている。誰がその自伝を手をにとるのだろう。欲しいけど私は買うのを躊躇った。高いから。
 余談だが高いことに不満はないよ。出版界、とりわけ翻訳本を世に出すのは実に厳しい状況らしいの。
 二軒目の書店で手に取ってみたのはジョディ・フォスターが表紙になっているメンズ誌だった。U-NEXTで見た「ナイト・カントリー」という警官ものミステリーは、優れた人物描写と複雑な背景の描き方がとても上手かった。ジョディ・フォスターが主演だが、相棒となるネィティブの血を引く女性を演じる俳優がまた素敵。これは「トゥルー・ディテクティブ」というシリーズらしくて、キャスティングも製作姿勢もとても見応えがあって好き。「ナイト・カントリー」は彼女の仕事復帰二作のうちの一つだと、そのメンズ誌の記事で知った。彼女は60代だ。
 古典的な写真技法のプルシアンブルーが目に焼きついた翌日、広重が「べろ藍」と何度も叫ぶドラマを配信で見た。長塚京三が北斎だ。今までと違う長塚京三にびっくりしちゃった。いいな。

観られなかった(T . T) "特別展「帰って来た橋本治展」"2024/06/14 01:57

 会期が長かったので終了日を勘違いして見に行かなかった。オーマイガーとはこのことだ。あっと思った時には終わってましたもんね。なんてこったいパンナコッタ。ほんとにファンかよ。
 とにかく図録だけは手に入れるわ。

「おちょこの傘もつメリー・ポピンズ」2024/06/19 01:39

 花園神社における新宿梁山泊77回公演。開演19時、降る雨は次第に上がり始める。
 おちょこを演じる勘九郎に十八代目勘三郎の面影が何度か現れて、桜姫の時の勘三郎を思い出す。紫テントにシアターコクーンのような広さを感じてダブったのか。
 去年この観客席には唐十郎がいた。それを私は左側のやや上の方から眺めていた。出演者の一人である大鶴義丹が父の席に出向いて挨拶をしたのを見た。寺島しのぶと豊川悦司が観客の中にいた。
 今年、5月4日に亡くなった唐十郎が座るはずだった席に、大鶴佐助が招かれ父の代役を務めている。
 演者には勘九郎の他、寺島しのぶと豊川悦司がいて、六平直政、風間杜夫、大好きな松田洋治、水嶋カンナ、そしてのぐち和美。
 この一年は熟成のためにかけられていたんだと、私には可視化された形で理解できた。
 それにしてもなんなんだ、この自由に見える面白い歪は。正直何を観たのか分からない。

「ボブ・マーリー ONE LOVE」2024/06/21 00:48

 いい噂があったので慌てて上映館を探して観に行った。よかったよ。イギリスに渡っている間の音楽的な接点としては、白い暴動に触れている場面があった。
 アルバム「エクソダス」が生まれるとき映画「エクソダス 栄光への脱出」のテーマが流れる。作品の中身についてはちょっと横に置いといて、音楽はいいもんね〜。余談だが、ポール・ニューマンが出てるので観ていた映画だ。今回一層深刻になったパレスチナ問題で再見したが、どこまでもハリウッドなんだなと思いながら観たよ。今だって理解していないが昔はそれ以前。
"地球上の政府は全部違法" Bob Marley

 日本は音楽に政治を持ち込むなって言えるほど幸せで良かったよな。