「三月大歌舞伎」はブルー2021/03/29 23:34

歌舞伎座へ。
三月大歌舞伎千穐楽の三部、6時半開演「桜門五三桐(さんもんごさんのきり)」と「隅田川」
五右衛門の中村吉右衛門は日曜日に倒れ入院したまま、代役は久吉を演じていた松本幸四郎が立った。
声が似ていた。身内ということもあるだろうけど、歳をとって貫禄が出たせいかしら。桜の満開を舞台上の南禅寺で見る。
「隅田川」は坂東玉三郎。
川が重要な要素になるドラマだから、因果を感じた。見失なった子供を追う狂った女。青い色彩で纏められた舞台が美しい。
吉右衛門さんのことといい、「隅田川」といい、物哀しい喪失感で劇場を出た。播磨屋さん、再び舞台に戻ってほしい。

追記
気になって買った能楽タイムズに野村萬斎さんの対談記事があり、自らのアレンジで上演された「隅田川」に言及していた。そこで持論とした上で語っている部分をそのまま引用。
「晩春の夜明けで終わる能<隅田川>は奇跡を肯定する癒しの物語であり、鎮魂と再生の劇であって、荒涼たる絶望のドラマではない」
これで文字通り救われた。乱暴すぎる理解から解放された。

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