明けました2021/01/04 01:30

2021年になった。気分の晴れない新年だ。
ある道路を車で走っていたら軒並みシャッターが閉まり、なんだか侘しい風景になっているところがあった。まるで廃業したように見えるのは正月飾りがないか、あるは地味なものだから車中からでは確認しにくいだけなのか。
昔は少なくとも正月の三ヶ日といえば店は閉めているのが普通だった。それで寂しい印象がないのは、全てと言っていい商店がそこそこ立派な正月飾りを飾っていたからかもしれない。門松と正面飾りの組み合わせが結構普通にあったのが、時代が変わるにつれ門松が少なくなっていった。気がついたら滅多に見なくなった。ないと沽券に関わるという意識のあるところだけになった、多分。
正面飾りだけになってずいぶんの年月が経つが、まだ当分このまま風景として残っていくものと思っていた。もしかして飾らないことが抵抗運動になってるか? 自助だけやれと言っている無能政府に対して。
それにしても、感染に因るにしろ、仕事を自粛して収入が閉ざされるにしろ、命に関わる休業だと知っているから一層やるせない。

「ブラック・クラズマン(2018)」2021/01/09 00:16

1月6日、アメリカ連邦議会議事堂前の広場に暴徒となったトランプ支持者によって首吊台が立てられていた。横木の真ん中から輪にしてぶら下げられたロープ。体裁だけでも民主主義を保っていたアメリカで、これほど不気味な光景を見るとは思わなかった。
誰が誰を、法の裁きなしにそれに吊るすことができると考えるのだろう。この場合は文字通りかどうかは別にして、ペンス副大統領を吊しに来ていたのだけど。

年末からネットレンタルしたDVDの中のひとつ、スパイク・リー監督作品「ブラック・クラズマン」を前日の5日に観た。原作は実話に拠ったものでとても面白かった。スパイク・リーらしくとても軽妙。
コロラド州のある都市でアフリカ系アメリカ人として初めて市警察巡査になった男の書いた本が原作になっている。
引用的に使われる映像が数多く登場するが、中でも印象的なのはこの時91歳のハリー・ベラフォンテが演じるジェームズ・ターナーが小さな集会で長老の如く語る場面だ。
"ジェシー・ワシントン"リンチ事件(https://ja.wikipedia.org/wiki/)について、酷い写真を見せながら、そこで行われたリンチの顛末を語る。焼かれた身体を首吊りにされた黒人青年の写真だ。
犯罪容疑如何でなく黒人を徹底的に差別する白人至上主義者たちが行う行為がどれだけ非人間的なものか。
今こそ誰でもが何が行われてきたかを積極的に知るべきだと思う。

2021年の今、米国議会議事堂広場に突如現れた首吊りの木と重ねあわせて考える。

追記:ハリー・ベラフォンテが演じるジェームス・ターナーは重要な存在だ。この映画の中でジェームズ・ターナーの演説がフルで入っているとあるブログで書かれていた。また追記するかも。

「レ・ミゼラブル」2021/01/12 02:53

BSで「レ・ミゼラブル」を放送するので録画しておいた。ミュージカル・ナンバーなどは有名だから凡そは知っている。
主要な配役も知っていたけどマリウスをエディ・レッドメインが演じると知らなかったから、そこは食いついた。
でもこれでは泣けない。ミュージカルとしてはいいのだろうな。
私が最初から観たいと思わなかったのは、小説をこれまでに4回読んだからだと思う。ワーテルローの戦いが長々と描写される章も真面目に読んだ。そうするうちに苦しむ人間たちを紙の中でしか認められなくなっていたかも。
あれがミュージカルになるってあまり信じられなくて、別のものとしても興味をそそられることがなかったんだな、きっと。
読んでる本は大昔も大昔、中学生の頃に父が買ってくれた新潮社の全集。二段組で3巻ある。
最初はワーテルローの戦いの章はぶっ飛ばして読んでた。3回目くらいからちゃんと読んだ。テナルディエのための章だとは理解していた。
追記。ワーテルローの戦いの章は思ったより少なかった。60ページほどだ。

「タイタス(1999)」2021/01/13 23:50

記憶をはっきりさせるためにもう一度観る。これもネットでレンタルしたDVD。
導入部のローマ兵士の行進は背中をゾゾゾとさせてくれる。
原作はシェイクスピアの「タイタス・アンドロニカス」
俳優陣はアンソニー・ホプキンス、アラン・カミング、ジェシカ・ラング他。

制作の季節は冬。俳優たちの台詞を吐く時の白い息でわかる。
ローマ兵の凱旋で行進する兵士はクロアチアの警察学校の学生たち。
ここでクロアチアの警察学校の学生が出演しているのは、舞台であるローマのコロッセウムの代わりに、ロケ地となったのがクロアチア、プーラの闘技場の遺跡だからだ。ローマ時代のものが外壁など殆どそのままの形で残っていて、ローマのものより小ぶりでデザインのせいか華奢に見える。
作品のタイトルとロケ地で検索すると、このコロッセウムをローマのものとしているブログが多くてがっかりしたな。
本編を観ながらローマのコロッセウムなのか疑問だったが、DVDの監督の説明が入った特典映像で解決した。
(クロアチアのプーラの円形闘技場https://best-croatia.com/pula/)
クロアチアはコソボ紛争が起きたところ。それもロケの1年後だ。
他にロケ地として独裁政治を象徴するエウル、ハドリアヌス帝の別荘などが出てくる。
コロッセウムは2019年のイタリア旅行で見ていたから違いが分かったし、作品中の建築を特に意識して見るようになった。「タイタス」を観なおした意味が動機から飛躍して楽しめた。
あ、そうだ。作品の特徴は残酷・無惨な復讐に次ぐ復讐の応酬で、すごいのです。それをジュリー・テイモアで見る事ができるのが嬉しい。

アイスプラント2021/01/16 01:33

スーパーで値引きして売っていたので買った。
初めてみる植物で恐る恐るつまんでみる。
柔らかいのにシャクシャクした歯応え。
それにかすかにしょっぱい!
でも嫌いじゃない。
何が合うのかよく分からないまま食べ終わってしまった。
検索してみたら鰹節にポン酢、醤油少々とあった。
なるほど。それは良さそうだった。

「さまよえるオランダ人」2021/01/19 12:28

NHK-Eテレの音楽祭を録画しておいた、2019年のフィレンツェ音楽祭での上演。
「さまよえるオランダ人」はタイトルそのものが大好物。ゾクゾクとワクワクで最高。
ワグナーの初期の作品であるというのが結果的に魅力になっているのかも知れない。ほどほどのワグナー感でいい湯加減。
今回のゼンタはすごく恰幅がよくて圧倒されるサイズの人。肉体そのものが楽器なのだよ。
4年ほど前、北欧のどこの国か忘れたけど引越し公演があって、チケットを取った。池袋の芸術劇場だったか、あるいは新国立劇場か。
その演出も好きだったな。プログラムがあったはず。探しておこう。
NHKの方⬇️
https://natalie.mu/stage/news/411639

昔Bunkamuraで見たアイーダは、若きラダメスがお腹の突き出た小柄なおっさんで、ビヤ樽にしか見えなくてすごく困った。美女二人の方が背が高いし。目を閉じても見ちゃったからもう消えない。

「菊と刀」から「レイシズム」2021/01/31 02:42

ルース・ベネディクトの「菊と刀」はアメリカでどういう位置付けをされているんだろうなと、ここのところ考えていた。
今日、改装されてから入ったことのないショッピングモールに行ってみた。
それで、中にある大きな書店に入ってこれを見つけた。
新訳とある。
彼女自身の前書きと、訳者による後書きだけでも読む価値があるように思える。
ナチスに加担していないともいえないアメリカで、文化人類学者によって、第二次世界大戦の最中に書かれた。