「ストーンウォール(2015)」2020/10/05 22:26

ローランド・エメリッヒ監督作品というのを観る直前に知った。
意外に感じたのは、エメリッヒ監督といえばSFっぽいものを専らという印象だったからだな。
ストーンウォールについては機会があれば知ってくべきと思ったから、観た。
1969年6月に起きたLGBTQ解放運動の切っ掛けになった大きな暴動に、その舞台になったニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」に因んだ名前がついた。
2020年の今、差別は消えた?いえいえまだみんな闘っているよ。
一人一人が違うのは当然だから、みんながいっせいに相手を認めてしまえばいいんだけどね。
人間はそうしない。

実在の登場人物に架空の青年を溶け込ませて物語が展開される。
エンドロールで実在の彼らのその後が語られる。

「硫黄島(1955)」2020/10/06 00:29

日本映画で「硫黄島」というタイトルに興味を持って録画しておいた。実は観るのが面倒な気分になっていて、録画してから少し時間が経っていた。
戦闘シーンや、殷殷滅々の暗い場面が続くのかと思うと、やっぱり萎えるが、今日はとにかく観ようと決意した。で、観始めたのだった。
タイトルロールが終わり、戦地。硫黄島の激戦は終わっていて生き残り兵士の姿が描かれる。と、すぐに話は戦後にかわり、居酒屋で飲んだくれている男に客の視線が行く。そこからミステリアスなムードになってきたからちょっと画面に身を乗り出す感じ。一体何が彼の身に起こったのか、それを知りたくて物語に引き込まれていく。
菊村到の原作だけど、私は多分読んだことがないな。
監督はなんと宇野重吉。寺尾聡の父上、有名な俳優で、とてもいい俳優だったよ。

後付けの追記。
違和感を感じていたのにそれを無視していた。
それは、制作年1955年には既に復員兵は他人事になっていたのだろうかという疑問。時代背景がうまく飲み込めていない。
関わりを持った新聞記者たちは少年時代か、それ以上の歳ではなかったか。彼らは戦中を知っていると思うんだけど、まるで戦争が大昔の出来事のような反応。うむむ。

https://www.nikkatsu.com/sphone/movie/20389.html

疲れた2020/10/09 02:23

すごく疲れてます。

「アレックスと私」2020/10/09 21:48

アレックスとは、あるヨウムという大型インコに付けられた名前だ。
カテゴリに「ペット」も入れたけど、アレックスはアメリカの大学の研究室で研究対象として飼われていたから、厳密にはペットではない。知り合いがヨウムを飼い始めたところから興味が湧いて、大学から出ている研究書の翻訳本は何度か図書館で借りたことがある。
ヨウムはとても賢い鳥で、アレックスはそれを十分に証明してみせた。
「アレックスと私」はタイトルから察せられる通り、研究から離れた個人的な関係を描いている。あのアレックスのこと!と、この本を教えてもらって、すぐに飛びついて買ってしまったが、読み始めることができない。
彼が思うより早く死んでしまったことを思い出した瞬間に読めなくなった。
愛していたものが死んでしまった悲しみを、この書き手と共有することが辛い。
後書きから知ったがこの本は大分前に別の出版社から出ていたらしい。その時の方が私自身には読むための体力はあったな。

「高い城の男」2020/10/16 00:24

Amazon primeのウォッチリストに入れておいたドラマだったが、今日直ぐにみろというお告げがあった(笑)
P・K・ディックの原作、リドリー・スコット総指揮だから見応えは充分と期待していたものだ。
第二次大戦後、戦勝国と敗戦国が逆になるという世界を描く。つまりナチスドイツと日本が勝利して、北米を分割支配するという話。
さて4シーズン分楽しもう。
イギリスBBCで制作したナチスを戦勝国とした作品もある。ナチスドイツにイギリスが占領されるという設定で、一応刑事物だ。「SS-GB(エスエス・ゲーベー)」というタイトルで、レン・デイトンの原作。確かポワロを作ったチームじゃなかったかな。違うかも。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E3%81%84%E5%9F%8E%E3%81%AE%E7%94%B7_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)

https://ja.wikipedia.org/wiki/SS-GB

「COOL STRUTTIN' SONNY CLARK」2020/10/16 13:11

気分が鎮まる。久々に聴いた。ジャケットだって眼にするの久しぶり。

「戦争のはらわた(1977)」2020/10/26 21:00

S・ペキンパー監督「戦争のはらわた」を録画したのを観ていた。大昔に観た時の事は殆ど覚えていない。
これの原題「Cross of Iron」は「鉄十字勲章」のことだ。
勲章を欲しがる人間と、勲章そのものを馬鹿らしいと考えている男はジェームス・コバーン。
貴族出の士官は喉から手が出るほど勲章を欲しがっている。戦後に生き残ることしか想像しない。
この作品には本物の戦車とか、撮り方とか、ペキンパーが特異な作家であると証明できることが山ほどある。
しかしながら、戦争という追い詰められる状況じゃないと本質は見極められないことがよく分かるから、単純にコバーン演じるシュタイナー軍曹の狂気じみた誠実が理解できようというものだ。

エンドロールでシュタイナー軍曹の哄笑と共に出現する、いくつもの戦争写真の中のひとつ。

「パチンコ」2020/10/27 11:38

アメリカでベストセラーになっていたものが日本語訳で今年の7月に出版された。
読みたいと思っていたので図書館の予約に入れたのだけど、新刊の割に予約数は少なかったのは些か意外に感じた。
タイトルと在日コリアンの物語ということがその理由だろうか。
実際に洋書レビュアーが書いている後書には、レビュアー自身が初めは読みたいとは思わなかったと書いている。
パチンコという遊戯に興味がなく、そもそも苦手と言っていて、私もそうだった。本好きの知り合いが話題にしていなければ手にしていなかったかもしれない。
いろいろ知りたかったこともあって、機会を捉えた。
面白かったのは事実だけど、たくさんの人が書いているような在日コリアン一家の4代、5代までを描く壮大な物語、とまでは感じなかった。舞台やその背景は世界を広げているようで、狭い感じすらあった。それでも一気に読んでしまえる魅力があるのは、やはり登場人物がいいのかな。
淡々と語られる「女の一生」の別バージョンとも。
写真は下巻の表紙。

窓が連なる2020/10/28 01:30

ルルの友達と勝手に人間が決めて、障害を持つ猫の傍らに置いていたライオンのぬいぐるみ。

「ぬるい毒」(本谷有希子)2020/10/29 21:23

図書館に予約の本が確保できたと連絡があったのでそれを取りに行った。期限を過ぎた本の返却もする。
図書館のフロアに、誕生日月のテーマでまとめた3冊の本を中身を見せずに貸し出しするという企画コーナーができていた。
少し悩んだけど借りてみた。
どんな選び方でも良いということなので7月というのを選んだ。
それの中身のひとつがこれ。知らない作家なので、すぐにページをめくってみた。
妙な始まり方で戸惑う。先入観を持つのが嫌で何も調べないようにしたのだけど、我慢できず見てしまったプロフィールで納得できた。劇団の主宰だった。
なるほど、と何故か思う。あとは好きかどうかなんだ。どうだろか。もう少し読んでみる。