「ヴェニスに死す」を久々に読む2017/08/31 03:19

月に一回のささやかな楽しみの一つ、読書会に今月は参加できそうなので選んだのはお題が「夏」だったからトーマス・マンのこれ。
ドイツ文学は高橋義孝翻訳に親しみがあるので新潮文庫にしたけど他のものでもよかったかな。
うちにあるはずなのに探したら無いので新たに買ったのだけど、新潮のは「トニオ・クレーゲル」も入っているからお得感もありで。
物語の季節は「夏」だというのに記憶しているより描写がずっと暗い。ドイツ文学らしさを再認識。
落ち着いた色彩くらいに考えていたので読み始めてまいったと思っているがやはり面白い。
冒頭やや過ぎたあたりで出てくる経木帽子という言葉を知らなくて調べたら楽天でも売っている作業用の麦わら帽子だったことに驚き。
人生の移ろいを残酷に見せる。主人公のアッシェンバッハが功を成し貴族の称号をも得た老作家としては見栄えの悪い心持ちで最後を過ごすのだ。